家族葬や一日葬、直葬などの葬儀が終わり、相続手続きを始めてみると、
「思っていたより大変」
と感じる方は少なくありません。
最初は、
「銀行口座を解約して、家の名義を変えれば終わりかな」
と思っていても、実際に進めると、
- 相続人が思っていたより多い
- 財産がどこにあるか分からない
- 借金があるのか分からない
- 兄弟で話がまとまらない
- 銀行ごとに必要書類が違う
といった壁にぶつかります。
相続手続きで大切なのは、困ってから一つずつ対処するのではなく、最初に「どこで止まりやすいか」を知っておくことです。
ここでは、実際に相続手続きを始めた方が困りやすい5つのケースと、その解決方法を紹介します。
相続手続きを始めて困ることは大きく5つ
代表的なのは次の5つです。
- 相続人が思っていた人だけではなかった
- 故人の財産が全部見つからない
- 借金があるのか分からない
- 相続人同士で財産の分け方が決まらない
- 銀行や不動産など手続きごとに必要書類が違う
どれも、相続を始める前には気づきにくい問題です。
順番に見ていきましょう。
困ること① 相続人が思っていた人だけではなかった
相続で最初につまずきやすいのが、相続人の確認です。
よくある事例
父親が亡くなり、
「母と兄と自分の3人で相続すればいい」
と思っていたところ、戸籍を集めて初めて、父親に前婚の子どもがいることが分かった。
このようなケースがあります。
本人たちが普段付き合っていなかったとしても、法律上の相続人になる可能性があります。
ほかにも、
- 子どもが先に亡くなっていて孫が相続人になる
- 子どもがおらず兄弟姉妹が相続人になる
- 兄弟姉妹が先に亡くなっていて甥や姪が関係する
など、家族関係によって相続人は変わります。
解決策:遺産を分ける前に相続人を確定する
相続で大切なのは、
「誰に財産を渡すか」より先に、「誰が相続人なのか」を確認することです。
最初から、
「兄弟2人で半分ずつにしよう」
と決めるのではなく、戸籍を確認して相続人を確定してから遺産分割へ進みましょう。
後から別の相続人が判明すると、せっかく進めた手続きをやり直すことがあります。
困ること② 故人の財産が全部見つからない
次によくあるのが、
「故人が何を持っていたのか分からない」
という問題です。
よくある事例
自宅から地方銀行の通帳が見つかったため、
「預金はこれだけ」
と思って相続手続きを始めた。
ところが数か月後、故人宛ての郵便物から証券口座が見つかった。
さらにスマートフォンを確認すると、ネット銀行も利用していた。
このように、財産が後から出てくることがあります。
通帳だけでは分からない
現在は、紙の通帳を発行しない銀行もあります。
そのため、
- 通帳
- キャッシュカード
- 銀行からの郵便物
- スマートフォン
- メール
- 確定申告書
- 年金や給与の振込先
などから確認します。
不動産も自宅だけとは限らない
故人名義の不動産についても、
「住んでいた家だけ」
とは限りません。
例えば、
- 昔の実家の土地
- 田畑
- 山林
- 駐車場
- 親から相続した土地
などを所有しているケースがあります。
固定資産税の納税通知書なども確認しましょう。
解決策:最初に財産一覧を作る
財産が見つかるたびに手続きを始めるのではなく、
| 種類 | 内容 | 金額・評価額 | 手続き状況 |
|---|---|---|---|
| 銀行 | ○○銀行 | 約300万円 | 未手続き |
| 不動産 | 自宅 | 確認中 | 未手続き |
| 証券 | ○○証券 | 確認中 | 問い合わせ済み |
| 保険 | ○○生命 | 500万円 | 請求予定 |
といった形で一覧にしていくと整理しやすくなります。
困ること③ 借金があるのか分からない
相続では、預金や不動産ばかりに目が向きがちです。
しかし、借金も確認しなければなりません。
よくある事例
父親が亡くなり、自宅と預金があったため、
「特に問題はなさそう」
と考えていた。
ところが後から、カードローンの請求書が届いた。
というケースです。
相続では、原則としてプラスの財産だけを選んで受け取ることはできません。
確認したいもの
例えば、
- 住宅ローン
- カードローン
- 消費者金融
- クレジットカードの未払い
- 個人からの借入れ
- 税金などの未払い
があります。
また、故人が誰かの借金の保証人になっていたケースなどは、家族が把握していないこともあります。
解決策:借金確認を後回しにしない
相続放棄を考える場合には期限があります。
そのため、
「財産の整理が終わってから借金を調べよう」
ではなく、プラスの財産と借金を同時に確認することが重要です。
郵便物や口座履歴、契約書などを確認し、借金の可能性がある場合は早めに専門家へ相談しましょう。
困ること④ 相続人同士で財産の分け方が決まらない
相続で最も精神的に負担になりやすいのが、家族間の話し合いです。
よくある事例
相続財産が、
- 自宅3,000万円
- 預金500万円
だったとします。
長男が、
「自分が実家を継ぐ」
と言っても、他の兄弟からすると、
「それでは長男だけが多く相続することになる」
という不満が出る可能性があります。
現金なら分けやすいですが、不動産は簡単に人数で割れません。
葬儀費用から不満が始まることもある
もう一つ意外に多いのが、葬儀費用です。
例えば長男が家族葬の費用として100万円を立て替えた場合、
「相続財産から返してほしい」
という話になることがあります。
一方、他の兄弟が、
「そんな高い葬儀を頼んだとは聞いていない」
と感じることもあります。
相続そのものではなく、葬儀の段階から不満が積み重なっているケースもあります。
解決策:財産全体を見える状態にしてから話し合う
いきなり、
「誰が家をもらう?」
という話を始めるのではなく、
- 預金
- 不動産
- 株式
- 保険
- 車
- 借金
- 葬儀費用などの支出
を一覧にします。
そのうえで、
「全部でどれくらいの財産があり、誰が何を取得するのか」
を話し合う方がまとまりやすくなります。
困ること⑤ 手続きごとに必要書類が違う
相続を始めて驚きやすいのが、
「一度書類を集めれば全部終わるわけではない」
ということです。
よくある事例
銀行Aで相続手続きを終えたため、そのまま同じ書類を持って銀行Bへ行ったところ、
「こちらでは別の書類も必要です」
と言われた。
さらに不動産の手続きでは、また違う書類が必要になった。
こうしたことは珍しくありません。
相続には複数の窓口がある
例えば、
- 銀行
- 信用金庫
- 証券会社
- 保険会社
- 法務局
- 税務署
など、財産ごとに手続き先が異なります。
そのため必要書類も少しずつ違います。
解決策:先に必要書類を問い合わせる
戸籍や印鑑証明書を何度も取りに行く前に、それぞれの手続き先へ、
「相続手続きには何が必要ですか?」
と確認して一覧を作りましょう。
同じ書類を複数の手続きで使えることもあります。
行き当たりばったりで動くより、かなり負担を減らせます。
相続手続きで先にやらない方がいいこと
相続では、
「とりあえず進める」ことが逆に問題になる場合があります。
故人の預金を勝手に分ける
暗証番号を知っていても、故人名義の預金を相続人の一人が自由に引き出して分配するのは避けた方がよいでしょう。
どうしても必要な支払いをした場合は、金額や用途を記録して領収書を残します。
財産を一部だけ見て遺産分割する
預金だけを見て、
「これを3人で分けよう」
と決めた後に、不動産や証券口座が見つかることがあります。
まず財産全体を把握しましょう。
遺言書を確認せず話し合いを始める
遺言書がある場合は、その内容が相続手続きに大きく関係します。
家族だけで財産分けを決める前に、遺言書の有無を確認しましょう。
借金の確認を後回しにする
これは特に注意が必要です。
相続放棄を検討する可能性があるなら、預金や不動産より先に借金を調べてもよいくらいです。
家族葬・一日葬・直葬のあとに起こりやすい相続の行き違い
相続トラブルは、必ずしも財産の分け方から始まるとは限りません。
葬儀費用がきっかけになることもあります。
葬儀費用を誰が負担した?
例えば、
「喪主が全部立て替えた」
「兄弟で出し合った」
「故人の預金から支払った」
など、家庭によって状況はさまざまです。
後から分からなくならないよう、
- 葬儀社の請求書
- 領収書
- 誰がいくら支払ったか
を残しておきましょう。
家族葬だけでなく、一日葬や直葬でも同じです。
香典の扱いも家族で共有する
香典を誰が受け取り、何に使用したのかについて認識が違うと、不満につながることがあります。
特に少人数の家族葬でも、
「葬儀に関するお金は誰が管理したのか」
を整理しておくと、その後の相続の話し合いがしやすくなります。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で相続を進める場合
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で葬儀を終え、相続手続きを始める場合も、いきなり各窓口へ走り回る必要はありません。
最初に一枚の紙やノートへ、
相続人・財産・借金・必要な手続き
をまとめるだけでも、かなり整理しやすくなります。
例えば、
- 遺言書を確認
- 相続人を確認
- 財産と借金を一覧にする
- 相続するか判断
- 遺産分割
- 銀行・不動産などの手続き
という順番です。
特に不動産がある場合や、相続人同士で意見が分かれている場合、借金の可能性がある場合は、問題が大きくなる前に専門家へ相談することも検討しましょう。
相続手続きについてよくある質問
相続人全員が集まらないと手続きできない?
全員が同じ場所へ集まらなければならないとは限りません。
ただし、遺産分割協議など相続人全員の合意が必要になる手続きがあります。
遠方に住んでいる相続人がいる場合も、早めに連絡を取っておきましょう。
知らない借金が後から出てきたら?
借金の内容や、いつ判明したかなどによって対応が変わります。
相続放棄が関係する可能性もあるため、「支払うしかない」と自己判断せず、早めに専門家へ相談してください。
遺産分割後に新しい財産が見つかったら?
その財産について改めて相続人間で対応を決めなければならないことがあります。
こうした手間を減らすためにも、遺産分割の前に可能な限り財産調査を行っておくことが大切です。
一人だけ相続手続きに協力してくれない場合は?
相続人全員の合意が必要な手続きでは、一人が応じないことで話が進まなくなることがあります。
連絡を重ねてもまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停などを検討することもあります。
この段階まで来た場合は、弁護士などへ相談した方がよいでしょう。
どの段階で専門家へ相談した方がいい?
例えば、
- 借金がある
- 相続人が分からない
- 相続人同士でもめている
- 不動産が複数ある
- 相続税がかかりそう
- 連絡が取れない相続人がいる
場合は、比較的早めの相談がおすすめです。
すべてを自分で進めてから相談するより、最初に方向性を確認した方が手戻りを減らせることがあります。
まとめ
相続手続きを始めて困りやすいのは、主に次の5つです。
- 相続人が思っていた人だけではなかった
- 故人の財産が全部見つからない
- 借金があるのか分からない
- 相続人同士で財産の分け方が決まらない
- 手続きごとに必要書類が違う
これらに共通するのは、
「確認する前に手続きを進めてしまうと、後からやり直しになりやすい」
ということです。
葬儀後は銀行、役所、不動産などさまざまな手続きが続くため、早く終わらせたくなる気持ちもあるでしょう。
しかし相続では、早さよりもまず、
相続人を確認する
→ 財産と借金を確認する
→ 全体像を把握する
→ その後に分け方や名義変更を進める
という順番が大切です。
また、家族葬・一日葬・直葬のどの形式で故人を見送った場合でも、葬儀費用の請求書や領収書は残しておきましょう。相続の話し合いになった際、「誰が何を支払ったのか」が分かるだけでも余計な行き違いを防ぎやすくなります。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で葬儀後の相続手続きを始めたものの、「ここからどう進めればいいか分からない」という場合も、一つずつ整理すれば構いません。
はりま終活相談所より
相続手続きは想定以上に難しい場合があります。また計画的にすすめないと後で問題が生じることも。何から手をつけたらいいか分からない場合は専門の機関、または行政においても無料相談を行っているところもありますので積極的に利用して自分一人で抱え込まないようにすることも大切です。はりま終活相談所でも無料相談受付しておりますのでいつでもお申しつけくださいませ。
相談窓口例(加古川市・高砂市・稲美町・播磨町)


この記事の監修者
播磨地域で葬祭業界に15年以上勤務。
累計900件以上の葬儀を担当。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、家族葬・一日葬・一般葬・直葬まで幅広くサポートしてきました。葬儀以外にも墓じまい・お寺問題・遺品整理など幅広くサポート経験があります。はりま終活相談所では、加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、終活や葬儀に関する情報を発信しています。
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