家族葬や一日葬、直葬などの葬儀が終わると、今度は相続について考えなければなりません。
しかし、実際には、
「相続って何から始めればいい?」
「銀行へ行くのが先?」
「家や土地の名義変更から?」
「税務署にも連絡するの?」
と迷う方が多いでしょう。
結論からいうと、相続は最初から難しい書類を作る必要はありません。
まずは、
①遺言書を確認する
②相続人を確認する
③財産を確認する
④借金を確認する
⑤相続するか放棄するか判断する
この順番で進めていけば大丈夫です。
特に注意したいのが、相続放棄です。
相続放棄には原則として3か月という期限があるため、葬儀後すぐに遺産分割をする必要はなくても、故人に借金がなかったかの確認は早めに始める必要があります。
相続は何から始める?まずこの5つを確認
相続というと、遺産分割協議や不動産登記などを思い浮かべるかもしれません。
しかし、その前に確認することがあります。
① 遺言書がないか確認する
最初に確認したいのが遺言書です。
故人が遺言書を残している場合、その内容によって財産の分け方や手続きが変わることがあります。
自宅の、
- 金庫
- 引き出し
- 書類ケース
- 貸金庫
などを確認しましょう。
公正証書遺言などを作成している場合もあります。
なお、自宅などで見つかった自筆証書遺言は、保管方法によって家庭裁判所の検認が必要になる場合があります。
勝手に開封・処分せず、内容に応じて確認してください。
② 誰が相続人になるのか確認する
次に確認するのが相続人です。
「妻と子どもだけだから分かっている」
と思っていても、正式な相続手続きでは戸籍による確認が必要になります。
また、
- 前の結婚で子どもがいる
- 認知した子がいる
- 子どもが先に亡くなっている
- 子どもがおらず兄弟姉妹が相続人になる
など、家族が認識していた範囲と法定相続人が異なる場合もあります。
まず戸籍を確認し、誰が相続人になるのかを確定させましょう。
③ 預金・不動産などプラスの財産を調べる
次に故人の財産を確認します。
代表的なものは、
- 銀行預金
- 土地・建物
- 株式
- 投資信託
- 証券口座
- 車
- 貴金属
- 貸付金
などです。
一度に正確な金額まで出す必要はありません。
まず、
「どんな財産を持っていたのか」
を一覧にするところから始めましょう。
④ 借金などマイナスの財産を調べる
相続で特に忘れてはいけないのが借金です。
相続するのは預金や不動産だけではありません。
- 住宅ローン
- カードローン
- 消費者金融
- クレジットカードの未払い
- 個人間の借金
なども確認する必要があります。
故人宛ての郵便物や契約書、預金口座からの引き落としなどを確認してください。
⑤ 相続するか放棄するか判断する
財産と借金をある程度確認したら、
- そのまま相続する
- 相続放棄する
- 限定承認を検討する
などを判断します。
ここで重要になるのが「3か月」という期限です。
相続で最初に意識したい「3か月」
相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
そのため、
「葬儀が終わったばかりだから、相続は半年後くらいから考えよう」
と完全に放置するのはおすすめできません。
特に借金がある場合は早めに確認する
例えば、
預金100万円
借金500万円
という状態であれば、単純に相続すると借金も引き継ぐことになります。
だからこそ、葬儀後の相続で最初に急ぎたいのは、
「誰が相続人か」と「借金がないか」
の確認です。
3か月以内に判断できない場合
財産関係が複雑で3か月以内に判断できない場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てる方法があります。
借金の有無が分からない、不動産が多数あるなどの場合は、期限直前まで放置せず早めに専門家へ相談しましょう。
故人の財産はどうやって調べる?
相続財産の調査と聞くと難しそうですが、まず自宅から確認します。
銀行預金
探したいのは、
- 通帳
- キャッシュカード
- 銀行からの郵便物
- ATM利用明細
- スマートフォンの銀行アプリ
などです。
紙の通帳がないネット銀行もあるので注意しましょう。
不動産
故人名義の土地や建物がないか確認します。
自宅だけでなく、
- 実家
- 農地
- 山林
- 駐車場
- 昔購入した土地
などを所有している場合もあります。
固定資産税の納税通知書も手掛かりになります。
株式・投資信託
証券会社からの郵便物やメールを確認します。
最近はインターネット証券を利用している方も多いため、紙の書類がないからといって投資をしていないとは限りません。
生命保険
生命保険金は契約内容によって相続財産としての扱いが異なることがありますが、死亡後に確認すべき重要な財産です。
保険証券や保険会社からの郵便物を探しましょう。
借金
借入先からの郵便物やローン契約書だけでなく、銀行口座の引き落としも確認します。
「本人は借金していないと言っていたから大丈夫」と思い込まず、一度確認しておくと安心です。
相続人は戸籍で確認する
相続手続きを進めるうえで、「相続人が誰なのか」は非常に重要です。
最終的には戸籍関係書類を確認していきます。
故人の家族関係によって、
- 配偶者
- 子
- 孫
- 父母
- 兄弟姉妹
- 甥・姪
などが相続人になる可能性があります。
「家族で話し合って3人で分けよう」と決めた後に別の法定相続人が判明すると、手続きをやり直さなければならないことがあります。
遺産を分ける話の前に、相続人を確定させる。
この順番を覚えておきましょう。
遺産分割は財産と相続人が分かってから
相続人と財産が確認できたら、誰がどの財産を取得するのかを話し合います。
これが遺産分割協議です。
いきなり預金を人数で割らない
例えば、
「銀行に900万円あるから兄弟3人で300万円ずつ」
と預金だけ先に分けるのではなく、
- 自宅
- 預金
- 株式
- 車
- 借金
などを含めて相続財産全体を確認してから話し合うことが大切です。
相続人全員で話し合う
遺産分割協議は、原則として相続人全員で行います。
話がまとまったら遺産分割協議書を作成し、預金や不動産などの名義変更へ進みます。
相続税は全員が払うわけではない
「相続=相続税」と思っている方もいますが、すべての相続で相続税が発生するわけではありません。
相続税には基礎控除があります。
一般的な基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
例えば法定相続人が3人なら、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
が一つの基準になります。
ただし、実際の課税対象額は財産評価や生命保険、不動産、各種特例などによって変わります。
相続税の申告期限は原則10か月
相続税の申告が必要な場合は、原則として、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税する必要があります。
10か月あるからと後回しにすると、
- 不動産評価
- 相続人の確認
- 遺産分割
- 必要書類の取得
などに時間がかかることがあります。
財産額が大きい場合は早めに税理士へ相談した方がよいでしょう。
不動産がある場合は相続登記を忘れない
故人名義の土地や建物がある場合は、不動産の相続登記が必要です。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続によって取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠った場合は、10万円以下の過料の対象になることがあります。
遺産分割が決まらない場合
相続人同士の話し合いがまとまらず、3年以内に通常の相続登記が難しい場合には、「相続人申告登記」という制度があります。
「話し合いが終わっていないから何もしなくていい」と放置しないようにしましょう。
家族葬・一日葬・直葬でも相続手続きは同じ
相続手続きは、どのような葬儀を行ったかとは基本的に別のものです。
家族葬、一日葬、直葬のどれを選んでも、
- 相続人を調べる
- 財産を調べる
- 相続放棄を検討する
- 遺産分割をする
- 預金や不動産の名義を変更する
という相続の基本的な流れは変わりません。
葬儀費用の領収書は残しておく
葬儀社から受け取った、
- 見積書
- 請求書
- 領収書
は保管しておきましょう。
相続人同士で葬儀費用を整理するときだけでなく、相続税の計算上、一定の葬式費用を遺産総額から差し引ける場合もあります。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で相続を始める場合
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で葬儀を終えた場合も、最初にすることは同じです。
まず、
遺言書 → 相続人 → 財産 → 借金
の順に確認しましょう。
特に故人名義の自宅や土地がある場合は、不動産の相続登記まで考える必要があります。
また、銀行預金だけでなく、
- 年金
- 生命保険
- 不動産
- 証券口座
- 自動車
- 公共料金や各種契約
など、故人名義の財産や契約を一覧にしておくと、その後の手続きを整理しやすくなります。
相続は誰に相談すればいい?
相続について困った場合、「何でも同じ専門家」というわけではありません。
おおまかには、
| 困っていること | 主な相談先 |
|---|---|
| 相続税 | 税理士 |
| 不動産の相続登記 | 司法書士 |
| 相続人同士の争い・法律問題 | 弁護士 |
| 相続放棄 | 弁護士・司法書士など |
| まず何をすればいいか整理したい | 自治体の相談窓口・各専門家 |
となります。
財産が単純で相続人間に争いがなければ、自分たちで進められる手続きもあります。
一方、
- 借金がある
- 不動産が複数ある
- 相続人が多い
- 連絡が取れない相続人がいる
- 相続税がかかりそう
- 相続人同士でもめている
場合は、早い段階で専門家へ相談した方がよいでしょう。
相続についてよくある質問
葬儀が終わったらすぐ遺産分割しないといけない?
すぐに遺産分割を終わらせる必要はありません。
まず遺言書、相続人、財産、借金を確認しましょう。
ただし、相続放棄には原則3か月という期限があるため、財産調査まで何か月も放置するのは避けた方がよいでしょう。
故人の銀行口座から葬儀代を出してもいい?
故人の預金は相続に関係する財産です。
自己判断で自由に引き出すのではなく、相続人同士で確認し、支出した場合は金額・目的・領収書などを残しておきましょう。
借金があるか分からない場合はどうする?
郵便物、契約書、銀行口座の引き落としなどから確認します。
借金の可能性があり相続放棄を検討している場合は、3か月の期限もあるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
遺産分割はいつまでにすればいい?
遺産分割そのものについて単純な「死亡後○か月まで」という期限だけで考えるものではありません。
ただし、相続税の申告や不動産の相続登記などには別途期限があります。
そのため、いつまでも放置するのではなく早めに話し合いを始めましょう。
相続税がかかるか分からない場合は?
まず故人の財産を一覧にして、おおよその金額を把握します。
不動産や金融資産が多く、基礎控除を超える可能性がある場合は税理士へ相談すると安心です。
まとめ
「相続は何から始めればいい?」
と迷ったら、いきなり銀行の解約や不動産の名義変更から始める必要はありません。
まずは、
- 遺言書を探す
- 相続人を確認する
- 預金・不動産などの財産を調べる
- 借金を調べる
- 相続するか放棄するか考える
この順番で進めましょう。
そのなかでも特に急いで確認したいのが、相続人と借金の有無です。
相続放棄は原則3か月以内、相続税の申告が必要なら原則10か月以内、不動産を相続した場合の相続登記は原則3年以内と、それぞれ期限が異なります。
すべてを葬儀直後に終わらせる必要はありません。
まず期限の短いものを確認し、その後、
財産の把握 → 遺産分割 → 預金・不動産などの名義変更
と一つずつ進めていけば大丈夫です。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で家族葬・一日葬・直葬を終えたあと、「相続まで何から手をつけたらよいか分からない」という方も、最初から難しく考えすぎず、故人の財産と家族関係を整理するところから始めてみてください。
はりま終活相談所より
相続は葬儀が終わると必ずしないといけませんが、人によって大変さは大きく異なります。たとえば相続人が疎遠で遠方に住んでいて連絡もつかない、自分の知らない相続人がいるといったことも珍しくありません。相続の手続きは葬儀後の大変な時ではありますが、自分で出来ないことは専門家に任せるなどすべて一人で背負う必要はございません。最近では行政の無料のサポートコーナーなども充実しているのでそれらも含めて対策を講じていくとよいでしょう。
この記事の監修者
播磨地域で葬祭業界に15年以上勤務。
累計900件以上の葬儀を担当。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、家族葬・一日葬・一般葬・直葬まで幅広くサポートしてきました。葬儀以外にも墓じまい・お寺問題・遺品整理など幅広くサポート経験があります。はりま終活相談所では、加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、終活や葬儀に関する情報を発信しています。
家族葬・葬儀について不安や疑問がある方は、ぜひ他の記事もあわせてご覧ください。
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