「菩提寺との付き合いを続けるのが負担になってきた」
「子どもには檀家の付き合いを残したくない」
「普段のお寺付き合いは必要ないけれど、葬儀のときだけ僧侶にお願いしたい」
このように考える方は珍しくありません。
以前は、先祖代々同じ寺院と付き合い、葬儀から法事、納骨、お盆や彼岸までお願いする家庭が一般的でした。
しかし現在では、家族葬や一日葬、直葬など葬儀の形が多様になり、寺院との付き合い方についても、
「必要なときだけお願いしたい」
と考える家庭が増えています。
結論からいうと、菩提寺との関係を見直すことはできますし、菩提寺がない方が葬儀のときだけ僧侶へ読経などを依頼することもできます。
ただし、すでに寺院墓地へお墓がある場合は別です。
葬儀だけ別の寺院へお願いした結果、
「菩提寺のお墓へ納骨できない」
「納骨のときになって寺院との話し合いが必要になった」
ということがないよう、葬儀だけでなく将来の納骨先まで含めて考えることが大切です。
菩提寺との付き合いをやめることはできる?
まず、「一度菩提寺が決まったら、子どもや孫の代まで絶対に付き合い続けなければならない」というわけではありません。
家庭の事情によって、寺院との関係を見直すことはできます。
ただし、
「お寺との普段の付き合いを減らしたい」
という話と、
「檀家そのものをやめたい」
という話は分けて考えた方がよいでしょう。
まずは付き合い方を減らせないか相談する方法もある
例えば、
- お盆の付き合いが負担
- 毎年の法要までは必要ない
- 遠方に住んでいて寺院へ行けない
- 子どもが地元を離れている
という理由であれば、いきなり関係をすべて終わらせなくても、
「今後は必要な法要だけお願いしたい」
「年忌法要について相談したい」
と寺院へ伝える方法もあります。
寺院との関係も、人間関係と同じです。
一律のルールがあるわけではないため、まず現在どのような関係になっているのか整理してみましょう。
葬儀のときだけお寺にお願いすることはできる?
菩提寺がない場合は、葬儀のときだけ僧侶へ読経などをお願いすることもできます。
例えば、
「普段付き合っている寺院はないが、親の葬儀は仏式で送りたい」
という場合です。
葬儀社から僧侶を紹介してもらう方法もある
葬儀社によっては、菩提寺がないご家族へ寺院や僧侶を紹介してくれる場合があります。
その場合、
- 通夜
- 葬儀・告別式
- 火葬前後の読経
- 戒名・法名
- 初七日
- 四十九日法要
など、どこまでお願いしたいのかを相談できます。
「葬儀だけお願いしたい」
という希望も、まず伝えてみましょう。
すでに菩提寺がある場合は別
注意したいのは、すでに菩提寺がある場合です。
特に、その寺院の墓地へ先祖のお墓がある方は、
「今回は別のお寺の方が安いから」
「葬儀社に紹介してもらった僧侶へ頼もう」
と自己判断するのはおすすめできません。
葬儀後に菩提寺のお墓へ納骨するとき、問題になる可能性があるためです。
葬儀形式を変えたい場合も含め、まず菩提寺へ相談しましょう。
現在の葬儀では寺院との付き合い方も変わっている
昔は、
「家のお寺が決まっていて、家族が亡くなったらそのお寺にお願いする」
という流れが一般的でした。
現在もこの形は多く残っています。
一方で、家族構成や住む場所、供養に対する考え方が変わり、寺院との関係も多様になっています。
「代々の菩提寺」だけが選択肢ではない
現在は、
- 先祖代々の菩提寺へお願いする
- 葬儀のときにだけ僧侶を紹介してもらう
- 葬儀と四十九日まで同じ僧侶へお願いする
- 永代供養先の寺院へお願いする
- 宗教者を呼ばず家族だけで見送る
など、さまざまな形があります。
大切なのは、
「周囲がどうしているか」だけでなく、自分たちが今後どのような供養を続けたいか
を考えることです。
菩提寺との付き合いをやめたい理由
菩提寺との関係を見直したい理由は、ご家庭によって異なります。
お布施や寄付などの負担
葬儀だけでなく、
- 年忌法要
- お盆
- お彼岸
- 寺院行事
- 寄付
など、長年の付き合いのなかで経済的な負担を感じる方もいます。
「今は払えるが、子どもに同じ負担を残したくない」
と終活の一環で見直すケースもあります。
法事や行事への参加が難しい
子ども世代が地元を離れ、加古川市・高砂市に実家のお墓はあるものの、ご本人は県外で生活しているという家庭もあります。
稲美町・播磨町でも同様に、代替わりによって寺院との付き合いを続けることが難しくなるケースがあります。
子どもへ引き継がせたくない
親世代は寺院との付き合いを大切にしていても、子ども世代にはその考えがない場合があります。
「自分の代までは続けるが、その後は永代供養にしたい」
と考える方もいます。
お墓そのものを整理したい
菩提寺との付き合いをやめたい背景に、墓じまいを考えているケースもあります。
その場合は、
寺院との関係だけではなく、遺骨を今後どこへ移すのか
まで決める必要があります。
いきなり菩提寺との関係を切る前に確認したいこと
「もう付き合いをやめよう」
と決める前に、最低限確認しておきたいことがあります。
お墓はどこにある?
まず確認するのは、先祖のお墓です。
公営墓地や民間霊園なら寺院との関係を見直しやすい場合があります。
一方、菩提寺の境内墓地や寺院墓地にお墓がある場合は、その寺院との関係が墓地利用と結び付いていることがあります。
将来どこへ納骨する?
現在のお墓を使い続けるのか、
- 永代供養墓
- 納骨堂
- 樹木葬
- 別の墓地
へ移すのかでも、対応は変わります。
「寺院との付き合いをやめたい」という気持ちだけで判断するより、最終的な遺骨の行き先から逆算して考えると整理しやすくなります。
寺院墓地を利用している場合は特に注意
菩提寺との付き合いを考えるうえで、一番重要なのがお墓です。
寺院墓地の場合、墓地を利用する条件として檀家関係や寺院の宗派との関係が設けられていることがあります。
条件は寺院によって異なるため、一律に、
「檀家をやめてもお墓はそのまま使える」
とも、
「必ず墓じまいしなければならない」
とも言えません。
寺院へ確認する必要があります。
別の僧侶で葬儀をする前に確認する
例えば父親が亡くなり、
「菩提寺とは付き合いたくないから、今回は葬儀社に別の僧侶を紹介してもらおう」
と葬儀を行ったとします。
火葬までは問題なく進んでも、四十九日になって、
「先祖代々のお墓へ納骨したい」
となったとき、初めて菩提寺との問題が表面化することがあります。
そのため、現在寺院墓地を利用している場合は、
葬儀を決める前に納骨まで確認する
ことが重要です。
葬儀だけ僧侶に依頼するときに確認したいこと
菩提寺がなく、葬儀のときだけ僧侶をお願いする場合は、次のことを確認しておきましょう。
どの宗派でお願いするか
故人や実家の宗派が分かっている場合は、できれば同じ宗派の僧侶へお願いした方が自然です。
分からない場合は、仏壇や過去の戒名、先祖のお墓などから確認できることがあります。
戒名・法名をお願いするか
仏式葬儀でも、戒名・法名をどのように考えるかは家庭によって異なります。
将来寺院墓地へ納骨する場合は、納骨先との関係も確認しておきましょう。
葬儀だけか、四十九日までお願いするか
葬儀後には、
- 初七日
- 四十九日
- 納骨
- 一周忌
などがあります。
そのため、
「葬儀だけお願いして終わり」
にするのか、
「四十九日と納骨までは同じ僧侶にお願いする」
のかを考えておくと、その後がスムーズです。
お布施の内容を確認する
僧侶を紹介してもらう場合は、
- 通夜・葬儀
- 戒名・法名
- 初七日
- お車代
- 御膳料
など、どこまで含まれているのか確認しておきましょう。
単純な金額だけで比較するのではなく、「どこまでお願いする金額なのか」を確認することが大切です。
家族葬・一日葬・直葬でもお寺は呼べる?
葬儀形式と、僧侶を呼ぶかどうかは別の話です。
家族葬でも僧侶を呼べる
家族葬は「家族だけで行う無宗教葬」という意味ではありません。
参列者を家族や親族などに限定する葬儀なので、一般葬と同じように仏式で通夜・葬儀を行うことができます。
一日葬でも僧侶をお願いできる
一日葬は、通夜を行わず葬儀・告別式と火葬を一日で行う方法です。
菩提寺がある場合は、一日葬にする前に相談することが重要です。
寺院によっては、通夜から葬儀までの儀礼を重視していることがあります。
直葬でも読経をお願いできる場合がある
直葬は通夜・告別式を行わず火葬する方法ですが、
「宗教的な供養を一切してはいけない」
という意味ではありません。
火葬前に僧侶へ読経をお願いする方法もあります。
ただし、火葬場や施設によって対応できる時間や場所が異なるため、葬儀社へ確認しましょう。
宗教者を呼ばない選択もある
菩提寺がなく、ご家族も宗教儀礼を希望していない場合は、僧侶を呼ばずに家族だけで見送ることもできます。
「葬儀だから必ず僧侶を呼ばなければならない」というわけではありません。
菩提寺との付き合いを減らしたいときの現実的な選択肢
菩提寺との関係に負担を感じたからといって、必ずすぐに離檀する必要はありません。
いくつかの方法があります。
法事の回数について相談する
三回忌、七回忌、十三回忌など、すべての法事を同じ規模で続ける必要があるか、一度家族で考えてみましょう。
寺院へ今後の法要について相談する方法もあります。
必要なときだけお願いできないか相談する
寺院との関係によっては、
「葬儀や納骨など、大切な節目だけお願いしたい」
と相談できる場合もあります。
いきなり関係を断つより、現在の負担を率直に相談してみる方法もあります。
永代供養などへ切り替える
将来的に子どもへ墓守や寺院との付き合いを残したくない場合は、永代供養墓や納骨堂などへ遺骨を移す方法があります。
墓じまいを行う場合は、現在の寺院だけでなく、新しい納骨先や必要な行政手続きまで確認して進めます。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で考える場合
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町でも、昔から地域の寺院と長く付き合ってきた家庭がある一方、子ども世代が地域外へ転居し、寺院との付き合い方を見直すケースがあります。
大切なのは、
「昔からそうしてきたから」
という理由だけで続けることでも、
「面倒だからすべてやめる」
と急いで決めることでもありません。
まず、
- 現在のお墓はどこにあるか
- 今後そのお墓を誰が守るのか
- 葬儀では読経を希望するか
- 戒名・法名は必要か
- 四十九日や納骨はどうするか
を家族で整理してみましょう。
葬儀社へ相談するときも、
「菩提寺はありますが、今後の付き合いを見直したいです」
「菩提寺はありません。葬儀のときだけ僧侶をお願いしたいです」
とそのまま伝えて構いません。
状況に合った選択肢を確認してから決めることが大切です。
よくある質問
菩提寺に何も言わず別のお寺へ葬儀を頼んでもいい?
菩提寺があり、特にその寺院の墓地へ納骨する予定がある場合は、先に相談することをおすすめします。
葬儀そのものは別の僧侶でできたとしても、その後の納骨や法要で問題になる可能性があるためです。
檀家をやめるとお墓も移さないといけない?
寺院や墓地の規則によって異なります。
檀家関係と墓地使用が結び付いていることもあるため、現在利用している寺院へ確認してください。
葬儀だけお願いした僧侶に四十九日も頼める?
対応してもらえます。
葬儀を依頼するときに、
「四十九日や納骨もお願いできますか?」
と確認しておくとよいでしょう。
直葬でも読経や戒名をお願いできる?
可能な場合があります。
火葬前の読経や戒名・法名について僧侶へ依頼する方法があります。
ただし、直葬の進行や火葬場の利用条件もあるため、事前に葬儀社へ確認しましょう。
菩提寺がなくても納骨できる?
できます。
公営墓地、民間霊園、永代供養墓、納骨堂など、菩提寺を持たなくても利用できる納骨先があります。
ただし、それぞれ利用条件が異なるため事前確認が必要です。
まとめ
現在では、寺院との付き合い方も一つではありません。
先祖代々の菩提寺と付き合い続ける家庭もあれば、
- 葬儀のときだけ僧侶へお願いする
- 四十九日や納骨までお願いする
- 永代供養へ切り替える
- 宗教儀礼を行わず家族だけで見送る
という家庭もあります。
家族葬・一日葬・直葬など葬儀の形が変わってきたのと同じように、寺院との関係も家庭の事情に合わせて考える時代になっています。
ただし、現在菩提寺の墓地へお墓がある場合だけは、葬儀と寺院との関係を別々に考えない方がよいでしょう。
別の僧侶へ葬儀をお願いしたあと、納骨の段階で困ることがあるからです。
菩提寺との付き合いをやめたいと思ったら、まず確認したいのは、
- 今のお墓を今後どうするか
- 次の納骨先をどこにするか
- 葬儀で宗教儀礼をどこまで希望するか
- 子ども世代へ何を残したいか
です。
そして、「今まで通り続ける」か「すべてやめる」かの二択にする必要もありません。
葬儀や納骨など必要な節目だけお願いする、墓じまいをして永代供養へ切り替えるなど、ご家庭に合った距離感を考えることも一つの方法です。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で家族葬・一日葬・直葬を検討している方も、菩提寺の有無や今後の納骨について迷っている場合は、葬儀を決める段階で一緒に整理しておくと、その後のトラブルを防ぎやすくなります。
はりま終活相談所より
最近では寺院との付き合い方もほんとうに変化しています。以前まであった信仰心やお寺の身近さといったものがなくなってきており、菩提寺を必要としない、今までの寺院とは違う寺院を葬儀で呼ぶなど、葬儀における寺院の在り方が今までとは全く異なってきております。わたしはこれは決して悪いことではなく、この時代だからこそいろいろな考えをもって葬儀や寺院とのあり方を見直すいい機会なんだと考えております。もちろんこれまでの慣習や文化を否定するわけではありません。それらを大切に考える一方でそれぞれのニーズに合わせて柔軟に考えていくことも大切になってきているのではないでしょうか?
この記事の監修者
播磨地域で葬祭業界に15年以上勤務。
累計900件以上の葬儀を担当。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、家族葬・一日葬・一般葬・直葬まで幅広くサポートしてきました。葬儀以外にも墓じまい・お寺問題・遺品整理など幅広くサポート経験があります。はりま終活相談所では、加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、終活や葬儀に関する情報を発信しています。
家族葬・葬儀について不安や疑問がある方は、ぜひ他の記事もあわせてご覧ください。
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