ご家族が亡くなられ、ご安置を終えると、葬儀社との打ち合わせが始まります。
初めて葬儀を経験する方にとっては、
「何を決めればいいの?」
「何か準備しておいた方がいい?」
「その場ですべて決めないといけないの?」
と不安になることも多いでしょう。
葬儀の打ち合わせでは、家族葬・一日葬・直葬といった葬儀形式から、日程、参列人数、宗教者、遺影写真、料理、返礼品、費用まで、さまざまなことを確認します。
とはいえ、打ち合わせ前にすべてを決めておく必要はありません。
分からないことや迷っていることは、そのまま葬儀社へ伝えて大丈夫です。
この記事では、葬儀の打ち合わせで決めることと、事前に準備しておくとスムーズなものについて順番に解説します。
葬儀の打ち合わせでは主に8つのことを決める
葬儀社によって順番は異なりますが、打ち合わせでは主に次の内容を決めていきます。
| 決めること | 主な内容 |
|---|---|
| 葬儀形式 | 家族葬・一日葬・直葬など |
| 日程 | 通夜・告別式・火葬日時 |
| 喪主・参列者 | 喪主、誰に参列してもらうか |
| 宗教 | 宗派、菩提寺、僧侶への連絡 |
| 会場・安置 | 葬儀会館、ご自宅、安置施設 |
| 葬儀内容 | 祭壇、棺、遺影写真、供花など |
| 接待関係 | 料理、飲み物、返礼品 |
| 費用 | 見積もり、追加費用、支払方法 |
一度に見ると多く感じますが、葬儀社の担当者が順番に確認していきます。
ご家族だけで事前に全部決めておく必要はありません。
まず家族葬・一日葬・直葬のどれにするか考える
打ち合わせでは、まずどのような形で故人を見送るのかを決めます。
家族葬
家族や親族、故人と親しかった方など、参列者の範囲を絞って行う葬儀です。
一般的には通夜と葬儀・告別式を二日間で行います。
「家族や親族でゆっくり送りたい」「通夜の時間も大切にしたい」という方に選ばれています。
一日葬
通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を一日で行う形式です。
高齢の参列者が多い場合や、遠方から親族が集まる場合など、二日間の負担を減らしたいご家族に選ばれることがあります。
直葬
通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に見送る方法です。
費用や家族の負担を抑えやすい一方、お別れできる時間は限られます。
どれが正解というものではありません。
「費用はいくらにしたいか」だけでなく、誰に見送ってもらいたいか、故人とどれくらいお別れの時間を取りたいかを考えて選びましょう。
葬儀と火葬の日程を決める
葬儀の日程は、ご家族の希望だけで決まるわけではありません。
主に次の予定を確認しながら調整します。
- 火葬場の空き状況
- 葬儀会館の空き状況
- 僧侶など宗教者の予定
- 家族・親族が集まれる日
例えば、
「明日葬儀をしたい」
と思っていても、火葬場が空いていなければ日程を変更する必要があります。また死亡時間より24時間以上経過していないと法律上火葬はできません。(感染症等の特別な場合を除いて)
日程が延びた場合の費用も確認する
火葬まで数日空く場合は、故人を安置する日数も増えます。
そのため、
- 安置施設の使用料
- ドライアイス
- 付き添い安置
などの追加費用が発生する場合があります。
日程を決めるときは、一日延びた場合にどのくらい費用が増えるのかも確認しておくと安心です。
喪主と参列してもらう方を決める
喪主を決める
喪主は葬儀におけるご遺族の代表者です。
配偶者や子どもが務めることが多いですが、法律上の決まった順位はありません。
高齢の配偶者を子どもが支えるなど、ご家族が動きやすい形で決められます。
誰に参列してもらうか決める
家族葬の場合でも、「家族だけ」でなければならないわけではありません。
- 配偶者
- 子ども・孫
- 兄弟姉妹
- 親しい親族
- 故人と特に親しかった友人
など、誰に最後のお別れをしてもらいたいかを考えます。
打ち合わせ時点では、正確な人数が分からなくても問題ありません。
「10人前後」「20人くらい」など、おおよその人数を伝えれば、その規模に合った会場や料理などを提案してもらえます。
宗教・宗派・菩提寺について確認する
仏式で葬儀を行う場合は、
- 宗派
- 菩提寺があるか
- お墓が寺院にあるか
- 戒名・法名を依頼するか
などを確認します。
宗派が分からない場合は、仏壇やお墓、過去の葬儀資料などから確認できることがあります。
菩提寺がある場合は先に相談する
特に一日葬や直葬を希望する場合は、菩提寺へ早めに相談しましょう。
寺院によっては、通夜と告別式を行うことを基本としている場合があります。
また、菩提寺のお墓へ納骨する予定がある方は、葬儀後の関係も考えて事前に確認しておくことが大切です。
祭壇・棺・遺影写真などを決める
葬儀形式や日程が決まると、具体的な葬儀内容を選んでいきます。
祭壇
家族葬でも、生花祭壇や白木祭壇など、さまざまな選択肢があります。
祭壇の大きさや使用する花によって費用が変わります。
「豪華なものにしたい」ではなく、
「花が好きだったので花を多くしたい」
「シンプルにしたい」
など、ご家族の希望を伝えましょう。
棺
棺もプランによって種類が異なる場合があります。
基本プランに含まれている棺と、追加料金になる棺を分けて説明してもらいましょう。
遺影写真
遺影には、故人らしい表情が分かる写真を選びます。
必ず証明写真のような正面写真である必要はありません。
スマートフォンに保存している写真や集合写真から作成できる場合もあります。
打ち合わせ時にすぐ用意できなければ、後から提出できるか確認しましょう。
料理・返礼品・供花を決める
葬儀では、参列人数に合わせて料理や返礼品も準備します。
料理
通夜後の食事や、火葬後の会食などを行う場合は、人数に合わせて料理を注文します。
最初から正確な人数が分からない場合は、変更できる期限を確認しておきましょう。
返礼品
香典をいただいた方への返礼品や、会葬者へ渡す品物を選びます。
香典を辞退する場合は、返礼品の数も変わります。
供花
家族や親族から祭壇の横へ供花を出すこともあります。
誰がどの供花を出すのか、親族へ確認する必要がある場合は、その場で即決せず後から返事をしても問題ありません。
打ち合わせ前に準備しておくとよいもの
すべてを揃える必要はありませんが、次のものがあると打ち合わせが進みやすくなります。
故人の基本情報
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 本籍など必要になる情報
死亡届などの手続きで確認することがあります。
死亡診断書
病院などで受け取った死亡診断書は、大切に保管します。
死亡届と一体になっている様式が一般的です。
提出方法については葬儀社から案内を受けましょう。
遺影候補の写真
すぐに決められなくても、
「この辺りの写真から選びたい」
という候補があるとスムーズです。
スマートフォンの写真でも対応できる葬儀社があります。
宗教や菩提寺について分かるもの
- 菩提寺の名前
- 電話番号
- 宗派
- お墓の場所
- 過去の戒名・法名
など、分かる範囲で準備します。
おおよその参列人数
正確でなくても構いません。
「家族5人と親族10人ほど」
という程度でも、葬儀社は会場や料理の規模を考えられます。
最初から決めておかなくてもよいこと
葬儀の打ち合わせでは、分からないことがあって当然です。
特に次のようなことは、最初から完璧に決めておく必要はありません。
葬儀形式
家族葬・一日葬・直葬で迷っている場合は、それぞれの流れや費用を聞いてから決めても構いません。
参列人数
人数は途中で変わることがあります。
料理や返礼品をいつまで変更できるか確認しておきましょう。
また人数によって葬儀プランが変わることもあります。
遺影写真
すぐ決められない場合は、写真を探す時間をもらえることがあります。
慌てて「これでいい」と決める必要はありません。
料理・返礼品
人数が確定していない場合は、後から数量を変更できるか確認しましょう。
打ち合わせで費用について必ず確認すること
葬儀の打ち合わせで特に大切なのが、見積もりです。
プラン料金だけを見るのではなく、最終的にいくらになる可能性があるかを確認しましょう。
基本プランに何が含まれているか
例えば「家族葬〇万円」と書かれていても、
- 搬送
- 安置
- ドライアイス
- 会館使用料
- 棺
- 骨壺
- 遺影写真
- 火葬場までの霊柩車
など、どこまで含まれているかは葬儀社によって異なります。
追加料金が発生する条件
次のような場合に費用が増えることがあります。
- 火葬までの日数が延びる
- 搬送距離が長い
- 深夜・早朝に搬送する
- 参列人数が増える
- 料理や返礼品を追加する
- 棺や祭壇を変更する
「追加料金はいくらからですか?」ではなく、
「どんな場合に追加料金が発生しますか?」
と聞くのがおすすめです。
火葬料金やお布施が含まれているか
火葬料金や宗教者へのお布施は、葬儀社の基本プランとは別になっていることがあります。
見積書に含まれていない費用も確認し、
「葬儀全体として、最終的にどのくらい必要になりそうですか?」
と聞いておきましょう。
故人らしさについても葬儀社へ伝える
打ち合わせでは、金額や人数だけを決めるわけではありません。
故人について、
- 好きだった花
- 好きだった色
- よく聴いていた音楽
- 趣味
- 仕事
- 家族との思い出
なども伝えてみましょう。
例えば、
「花が好きだったので、最後は花をたくさん入れてあげたい」
「祭壇は豪華でなくてもいいので、写真を飾りたい」
など、ご家族が大切にしたいことを伝えると、葬儀社も提案しやすくなります。
葬儀の打ち合わせは、プラン表の商品を選ぶだけの時間ではありません。
「最後にどう見送ってあげたいか」を形にする時間でもあります。
打ち合わせには誰が参加する?
喪主一人だけで参加しなければならないわけではありません。
可能であれば、家族2人以上で話を聞くことをおすすめします。
ご家族を亡くされた直後は、説明された内容をすべて覚えておくのが難しいことがあります。
一人が担当者と話し、もう一人が見積書や資料を確認するだけでも負担を減らせます。
ただし、親族全員が参加する必要はありません。
人数が多すぎると意見がまとまらなくなることもあるため、中心となるご家族数名で話を聞くと進めやすいでしょう。
葬儀の打ち合わせでよくある質問
打ち合わせにはどのくらい時間がかかりますか?
葬儀の内容やご家族の状況によって異なります。
決める項目が多いため、時間には余裕を持っておくと安心です。
疲れている場合は無理をせず、途中で休憩をお願いしても構いません。
その場ですべて決めないといけませんか?
すべてを即決する必要はありません。
親族へ確認したいことや、写真を探したい場合などは、
「家族と相談してから返事します」
と伝えて問題ありません。
ただし、火葬場の予約など時間が限られるものについては、早めの判断が必要になることがあります。
見積もりを見てから内容を変更できますか?
契約や発注前であれば、変更できる項目も多くあります。
ただし、料理や返礼品、供花などには発注期限があります。
いつまで変更できるのか確認しましょう。
葬儀社から勧められたものを断っても大丈夫ですか?
もちろん構いません。
必要だと思わないものについては、
「今回は必要ありません」
と伝えて問題ありません。
分からない場合は、「これは何のために必要ですか?」と説明を求めましょう。
まとめ
葬儀の打ち合わせでは、主に、
- 家族葬・一日葬・直葬などの葬儀形式
- 通夜・告別式・火葬の日程
- 喪主
- 参列者
- 宗教・宗派
- 祭壇・棺・遺影写真
- 料理・返礼品
- 葬儀費用
などを決めます。
ただし、打ち合わせ前にすべてを準備したり、家族だけで決めたりする必要はありません。
故人の基本情報、菩提寺について分かること、遺影候補の写真、おおよその参列人数などを確認しておくだけでも十分です。
そして、費用についてはプラン料金だけを見るのではなく、追加料金が発生する条件と最終的な総額まで確認しましょう。
葬儀社との打ち合わせで大切なのは、短時間ですべて決めることではありません。
分からないことは質問し、必要のないものは断り、迷っていることは「迷っています」と伝えることです。
家族葬・一日葬・直葬のどれを選ぶ場合でも、ご家族が「こう見送ってあげたい」と思うことを葬儀社へ伝えながら、一つずつ決めていきましょう。
はりま終活相談所より
見送り方によっては打ち合わせで決めることも限定的にはなりますが、限られた時間の中で葬儀自体のこと、自分たちが故人にしてあげたいことなど、考えないといけないことが多くある中でやりたい葬儀が出来るか不安になる方もいらっしゃると思います。ご家族の中で役割を決めて分担される方もおられます。打ち合わせとなると決めることは確かに多いですが、葬儀社、家族と連携する、かつ自分たちの想いはしっかりと葬儀社に伝える、そこが大事かと思います。はりま終活相談所で書かせていただいてるコラムが少しでも誰かのお役に立つことが出来るならうれしい限りです。
この記事の監修者
播磨地域で葬祭業界に15年以上勤務。
累計900件以上の葬儀を担当。
加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、家族葬・一日葬・一般葬・直葬まで幅広くサポートしてきました。葬儀以外にも墓じまい・お寺問題・遺品整理など幅広くサポート経験があります。はりま終活相談所では、加古川市・高砂市・稲美町・播磨町を中心に、終活や葬儀に関する情報を発信しています。
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